丸洗いで落ちないしみ汚れは、しみ抜きを行います。よく、しみ抜きをしたら、穴が開いてしまったとの話を聞きますが、これはきものの状態に合わせて処置をしていない証拠なのです。しみ抜きはしみの状態を見抜く「目」と「経験」が必要です。そめの近江では、熟練のベテラン職人のみが携わり、きものの状態に合わせた仕事を心掛けております。

しみの種類によりますが、おおよそ半年くらいまでのものはしみ抜き加工で落とせる可能性が高いです。半年以上経過すると黄変化が始まりますので、なるべく早めにしみ抜きをしましょう。

ファンデーションが付きやすい衿は、そのファンデーションの性質により、色が抜けます。最近のファンデーションは漂白効果のあるものがあります。そのため、汚れを落としたとしても、色が抜けていることが多々あります。そんな時は色修正を行い、色を刺し、元の状態に戻していきます。

飲み物などのしみは、乾くと見えなくなるものがあります。特に糖分を含んだ日本酒やビールなどは、乾燥すると一見目立たなくなることがありますが、半年くらい経つと変色することがあるので注意が必要です。そういう意味では、定期的なきものチェックが必要となります。どうしても定期的なチェックが出来ない場合は、着用ごとに丸洗いなどのきもののお手入れを行った方が安心です。

お食事の際に思わずしみが付いてしまった時はどうすればいいか？
まずやってはいけないことですが、ハンカチなどで強くこすることは厳禁です。
こすることで生地にスレが発生してしまうためです。
しみでやってはいけないこと３つのポイントは「こするな」「拡げるな」「熱するな」です。
こすることで生地との間に摩擦が起き、結果拡がり、しみは生地に浸透してしまいます。

したがって、しみがついてしまった際の応急処置は、しみの箇所をハンカチなどで軽く当てて水分を吸い取るだけにして、着用後は当店へご持参ください。